住宅診断(既存住宅状況調査・ホームインスペクション)とは

「インスペクション」とは、一言でいうと建物における「健康診断」のことです。住宅に特化した調査・診断を住宅診断、ホームインスペクションと呼びます。「既存住宅状況調査」は【宅建業法において定められた基準に基づいた検査】のことを指しています。今まで実施されていた「インスペクション」は、業者ごとに内容や基準が異なるなど、検査内容や検査員の資格の有無などが明確でなかったため、検査員の技術力や検査基準、並びに検査方法の指針を示した「既存住宅インスペクション・ガイドライン」が国土交通省により定められた経緯があります。

住宅診断は、建物の専門家(建築士)が第三者的な立場で住宅を診断し、建物の劣化状況を把握することによって、問題の早期発見と対処ができます。リフォームの方向性を決め、結果的にはコストが割安になる場合があります。

既存住宅状況調査の方法の基準は、平成29年2月の国土交通省告示82号で定められています。その告示で既存住宅状況調査を行う者、調査対象部位、劣化事情等、方法が示されています。

既存住宅状況調査 木造の既存住宅の調査(第五条・第六条)

第五条  調査者は、木造の対象住宅のうち構造耐力上主要な部分に係る調査として、次の表の(い)欄に掲げる部位における(ろ)欄に掲げる劣化事象等の有無について、(は)欄に掲げる方法(デジタル技術を活用した方法を含む。)により調査するものとする。

(い)(ろ)(は)
部位劣化事象方法
一 基礎(立上り部分を含む)幅0.5ミリメートル以上のひび割れ
深さ二十ミリメートル以上の欠損
コンクリートの著しい劣化
さび汁を伴うひび割れ又は欠損(白華を含む。)   
鉄筋の露出
計測又は目視 
計測又は目視
打診又は目視
目視
計測又は目視
二 土台及び床組著しいひび割れ、劣化又は欠損計測又は目視
三 床著しいひび割れ、劣化又は欠損
著しい沈み
6/1000上の勾配の傾斜(凹凸の少ない仕上げによる床の表面に
おける二点(三メートル程度離れているものに限る。)の間を
結ぶ直線の水平面に対する角度をいう。)
計測又は目視
計測又は目視
計測
四 柱柱及び梁著しいひび割れ、劣化又は欠損
梁の著しいたわみ
柱の千分の六以上の勾配の傾斜(凹凸の少ない仕上げによる柱
の表面と、その面と垂直な鉛直面との交差する線(二メートル
程度以上の長さのものに限る。)の鉛直線に対する角度をいう。)
計測又は目視
目視
計測

五 外 壁及 び軒裏
  イ  乾式仕上げの場合合板、ラス網、ボード、防水紙、構造材その他の下地材(以下
「外壁等下地材」という。)まで到達するひび割れ、欠損、浮
き、はらみ又は剥落複数の仕上材にまたがったひび割れ又は欠
損金属の著しいさび又は化学的侵食
計測又は目視
  ロ  タイル仕上外壁等下地材まで到達するひび割れ、欠損、浮き、はらみ又は
剥落
複数の仕上材にまたがったひび割れ又は欠損
仕上材の著しい浮き
計測又は目視

打診又は目視
  ハ  塗壁仕上げの場合外壁等下地材まで到達するひび割れ、欠損、浮き、はらみ又は
剥落
仕上材の著しい浮き
計測又は目視

打診又は目視
 ニ その他の仕上げの
   場合
イからハまでの場合における劣化事象等に準じるものイからハまで
の場合におけ
る方法に準じ
るもの
六 バルコニー(対象住宅
  が共同住宅等である場合に
  あっては、バルコニー及び
  共用廊下)
支持部材又は床の著しいぐらつき、ひび割れ
又は劣化
打診又は目視
七 内壁合板、ボード、構造材その他の下地材(以下「内壁下地材」と
いう。)まで到達するひび割れ、欠損、浮き、はらみ又は剥落
柱の千分の六以上の勾配の傾斜(凹凸の少ない仕上げによる柱
の表面と、その面と垂直な鉛直面との交差する線(二メートル
程度以上の長さのものに限る。)の鉛直線に対する角度をいう。)
計測



八 天井合板、ボード、構造材その他の下地材(以下「天井下地材」と
いう。)まで達するひび割れ、欠損、浮き、はらみ又は剥落
目視
九 小屋組(下屋部分を
  含む。)
著しいひび割れ、劣化又は欠損計測又は目視
※高所の確認は、1.2メートル程の脚立を使用して安全に確認出来る範囲となります。(通常の住宅診断の場合)

2  調査者は、前項のほか、同項の表中各号の部位(床下の部分を含む。)について、目視(デジタル技術を活用した方法を含む。) により、著しい蟻害が認められるかどうかを調査するものとする。
3  調査者は、前二項のほか、第一項の表中各号の部位(床下の部分を含む。)について、計測又は目視及び打診又は触診(これらの方法のうち、デジタル技術を活用した方法を含む。)により、著しい腐朽等が認められるかどうかを調査するものとする。
4  調査者は、前三項のほか、基礎(立ち上がり部分を含む。)における鉄筋の本数及び間隔について、次に掲げる方法により、構造耐力上問題  のある不足が認められるかどうかを調査するものとする。ただし、対象住宅が小規模住宅である場合には、基礎に係る劣化事象等があったときに限り、調査するものとする。
  一  電磁波レーダ法又は電磁誘導法により調査すること。
  二  基礎について、張り間方向及びけた行方向の立ち上がり部分の各一箇所及び底盤部分の一箇所を調査すること。
  三  第一号の調査の結果と新築時の設計図書等との照合その他の方法により、鉄筋の本数が明らかに少ない状態と認められるかどうかを調査すること。
5  前項の規定にかかわらず、検査済証(平成十一年五月一日以降に確認済証の交付を受けた新築住宅に係るものに限る。)又は建設住宅性能評価書(既存住宅に係るものを除く。)の交付を受けた対象住宅で、基礎(立ち上がり部分を含む。)に係る劣化事象等がなかったものについては、前項の調査を要しない。

住宅診断に使用する機器

レーザー墨出し器
縦横方向のレーザー光を基準に主に壁・建具の垂直・水平を見る 際に使用します。また、床の水平や浮き・膨れの測定にも使用します


デジタル水平器
床の傾斜、配管の傾斜を測定します。1000mmあたりの傾斜の方向とその大きさをmmで表示します。垂木などの角度表示もできます。

       

バーチカル測傾器
柱の傾斜や床の傾斜を測定します。

打診棒(にんにく玉)
コンクリートやタイル面をにんにくの形状の先端で転がし、その音で浮きを調査します。
クラックスケール
壁や基礎など、コンクリートのひび割れの検査に使用します。透明なプラスチック製で直接ひび割れに当ててその太さを計測します。
デジタル探知機
壁裏の金属線や通電線、ボード壁裏の下地材料の位置を確認するときに使用します。基礎の鉄筋間隔を調べるときにも使用します。 

既存住宅診断(既存住宅状況調査) 料金一覧表

住宅診断標準コース 65,000円(税別)(延べ床面積150㎡まで)
屋根裏詳細調査+20,000円(税別)
床下詳細調査+30,000円(税別)
出張経費横手市より直線距離で20kmを超える場合 800円(税別)とし5kmごとに
800円(税別)を加算して計算

※延べ床面積が150㎡を超える場合は、1㎡あたり250円(税抜き)を加算させていただきます。例えば180㎡の住宅の場合、30㎡✕250円=7,500円を加算して、72,500円(税別)となります。面積によって端数が出る場合は、100円未満を切り捨てとします。

※以下の場合は、別途見積りとさせていただきます。
・鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)、混構造。
・地下室のある建物、地上3階を超える建物。
・2世帯住宅。
・専用住宅以外の建物(店舗併用住宅、全部または一部が賃貸住宅の場合など)。
・その他、ご相談させていただき特別な事項があると判断された場合等。

既存住宅状況調査は既存住宅インスペクションガイドに示された手順で実施し、調査報告書を作成し報告いたします。